真冬の夜の、夏の夢

2003年1月18日
私には常に、読みかけの本が何冊もある。
短編が四、五冊。そして長編一冊。
寝る前に少しだけ読んで、何日も楽しんでいることも珍しくはない。
そのかわり、何日も忘れられている本があるのもまったく珍しくはない。

今週見た電話の夢。
先月初めから読み進まないままの、あの本の影響ではないかと思い始めた。

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xxxx 水、電話、ライチ、肌色の土。xxxx
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以前に何年も住んでいた2階の部屋。
髪の短い女性が、背を向けて座っている。

彼女は手にすくった水で、部屋にある物すべてをぬらしている。
何をしているのかと聞くと、この部屋に有るものは曲がっているから
まっすぐに伸ばすのだと言う。
私は何も思わずにそれを眺めている。

彼女は私に水を汲んできてほしいと言い、 紙製のティッシュケースを渡す。
底からは水が漏れている。
階下に降りると、ケースの底は破れている。
直そうかとも考えるが、別の容器に水をいれ、2階に持っていく。
ティッシュケースではないことに気づくと、彼女は悲しそうに私を見る。

気がつくとまた、下の階にいる。
暗い部屋に、1台の電話。
象牙のような色で、本体が薄く四角い。
直径5ミリくらいのプッシュボタンが10個、間隔をあけて円状に並んでいる。
番号は「4」と「7」が一つずつ。
それしか表示はない。
二つの数字の配置からいっても、順番になっているとは思えない。
並んだプッシュボタンの円の中に3センチ角ほどの暗闇がある。
近づいてみると、小さなスクリーンのようだ。
・・・指で2度触れる。
スクリーンに『CR』の文字が赤く浮かび上がる。
それが消えると、明るくなったスクリーンの枠ぎりぎりの所に
目をこらさなければ見えないくらいに小さな、薄いクリーム色の数字が並んでいる。
表示に近いプッシュボタンが、その番号にあたるのだろう。

私は家に電話をかけようとするが、スクリーンに浮かんだ数字はしばらくすると
消えてしまう。
またスクリーンに触れ、はじめからやり直す。
プッシュボタンの外、右の真ん中あたりに、2センチくらいの象の写真が
プリントされている。
外国の象のイメージ。それを見て、
『ここからの電話は日本には繋がらない』と思う。

建物の外に出ると、緑色の高いフェンスがあり、越えることはできない。
陽が、照りつけている。
先ほどの彼女が間もなく現われる。
右手には、底の直ったティッシュケースを持っている。
ここから出るにはどうすればいいかと彼女に聞いてみる。

彼女は私の後ろを指さす。
そのトラックの荷台いっぱいに積んであるライチの実をすべて、フェンスの間から外に投げれば私も外に出られるという。
彼女はそう言って手にしたライチを投げたかと思うと、もうフェンスの外にいる。
私は何時間もかけて、すべての実を外に投げる。
何も考えない。疲れも感じない。

フェンスの外は広くなっており、両側にボランティアらしき人たちが座っている。
人々は日本語でねぎらいの言葉をかけてくれる。
肌色の、湿った土の上を歩いて行くと、舗装はされていないものの、
しっかりとした道に出る。
右を向くと、道沿いに立方体の角を落としたような形状の家が、等間隔で並んでいる。
どれも同じような四角い窓がついているが、ドアが見あたらない。
肌色の土壁の家。
さらに先は T字路になっている。
そのT字路の真ん中に、ターバンを巻き、白い布をまとった顎ひげのある男性が立っている。
私は肌色の壁の家をしばらく見てから、道の反対側はどうなっているのかと思い、
振り返る。


・・・・・そこが本当の出口だったようだ。

私は暖かいフトンの中で目覚め、困惑していた。
月曜の朝のことである。
あくまでも感覚的にだが、長い長い長い夢であった。

そしてこの夢に影響したのでは、と思われる本は、
ハヤカワepi文庫の『アインシュタインの夢』(アラン・ライトマン著)である。
日記形式で、その日の夢の世界が描かれている。
数編読んで、1か月も中断していた本が影響するのかどうか。
・・・だけど思いあたるのはこれぐらいなのだ。

という訳で。
次回はいよいよ『初夢』の話です。(^^;)

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