すごいタイミングとは

約束の時間は午前10時であった。
遅れるわけにはいかない。

連休のど真ん中、待ち合わせエリアに人通りなし。
そして公衆電話もなかった。

10分前にはその町内に入っていた。
今日の約束は住所だけが頼り。
ネットでおとした地図を片手に辺りをさまよう。

しかし、・・・・ない。
見当たらない。

ビルの1階だというのに、わからない。
どこも同じような建物ばかりで、近寄っては溜息つくのを繰り返す。

5分前。
探せない。
この橋の西側であることは間違いないのに。
もう、全部探したではないか。


『かなりやばい？(^^;)』


3分前。
冷や汗が出始める。


あと2分・・・。

不意に後ろでクルマの止まる音がして振り返る。

クルマから降りてきたおにいさん。

私はクルマまでダッシュした。

ハンコ押してる押してる。

クルマに乗りかけたおにいさんを制して聞く。

「・・・ああ、それならあのお店の横の階段上がったとこです」

ありがとう佐川急便！！！o(^^)o
周辺を知り尽くした人が通りかかったのだ。
ラ〜ッキ〜(^^)v

その場所、1階というより『中2階』だろ〜と言いそうになった。
しかも食べもの屋さんの看板がデカデカとしていて、
『あそこだけは違う』と平気で無視していたのだった。
階段上がって近寄ったら、3センチ×12センチの表札だけだった。

探せる訳がない。無理だ。

かくして約束の時間ちょうどに、ベルをならしたのだった。
携帯を持たないことを知られることもなく・・・。(^^;)